記事のアーカイブ

2015年04月10日 09:37
一番やりたかった警官×美容師。警官要素薄い。半分実話。      疲れて帰ると、慌ただしく家を出るサンジと入れ違いになった。 「おかえりおつかれ! メシあるから、食ったら皿浸けといて。んじゃ、行ってくる」 「おーぅ、行ってこーい」  ばたばたと飛び出して階段を下りていく音が遠ざかるのを確認し、玄関に鍵をかける。  鞄から昨夜持たされた弁当箱をシンクに出すと、軽い音ががらんと響いた。  食卓に並ぶ皿には薄らと汗をかいたラップがかかっている。ゾロの帰宅を見計らって用意された朝食はおそらく、電子レンジにかけなくてもいいぐらいの温もりで食べることができるだろう。温めること
2015年04月10日 09:35
ふぉろわ様の「ゾロが刀でサンジが鞘なお刀ゾロサン」から。      今は昔の物語。あるところに、人間に恋をした妖が居りました。  その恋は、神の怒りに触れてしまいました。  闇深い森の奥に、細く高い悲鳴が響き渡った。  森の奥へ行ってはいけないよ。魔物に食われてしまうからね。  言いつけを破ったわけではなかった。ただ魔物はとても狡猾で、少女を暗闇へ誘い込む事など造作もない。  少女の喉笛に、鋭い牙が今にも突き刺さろうとしている。少女は唇を噛み締め、固く目を瞑った。  その激痛を覚悟したその瞬間、大きな音と共に目の前の禍々しい気配が僅か離れる。 「テメェ、レディ
2015年04月10日 09:34
ゾロの闇落ちイラストに触発され。     「あれ、ゾロ、目が充血してる」  医者の性からか、敏いチョッパーにすぐ指摘された。  自分でも気付いていた。日毎染まっていく、隻眼の白い部分。船医はしきりに体調を問うてくる。  痛みはないか、痒くはないか、霞まないか。  ちゃんと、見えているか。  どれも何事もないと答えると、無理矢理目薬をさされた。奴のこういう直接的な行動はどうにも拒否できない。小さな体で迫られると跳ね除けることができなくなる。  朝昼晩と目薬を続けるように言われたが、気の無い返事を返すに止まった。  これはきっと、そんなものでは治らない。  痛くも痒くも
2015年04月10日 09:33
 ふわりふわりと、頭を撫でられる心地好さにぼんやりと目を開ける。琥珀の入ったグラスと、見下ろしてくる同じ色。 「それ、オレの……」  内から温まってから寝ようと、ノートにメモを取りながら、少し度の強い酒を舐めるように飲んでいた。  それを自分よりも早いピッチで、でも彼にしてみればひどくのんびりと、珍しく味わうように飲んでいる。  テーブルに俯せていて、この体勢ならノートを下敷きにしていただろうに、それはきちんと閉じられて傍にあり、ペンにもしっかりとキャップが嵌められていた。これらを避けられたことにも気付かないぐらい、深く寝入っていたようだ。  身動ぐとずり、と肩から滑る毛布。頭にあった手が
2015年04月10日 09:32
ふぉろわ様の「サンジがタバコ持ったまま寝ちゃってそれをゾロが取ってあげる」発言に萌えて。            ああやばい、と思いつつも、睡魔に負けた体は言うことをきかない。ゆっくりと閉じて行く意識の片隅に、口に咥えたままの煙草の行く末が懸念される。  ぽとりと、灰の落ちる気配。ゆるゆると、口許を離れていきそうな焦燥。火が、と思うのに、堕ちていく。  完全に飲まれる刹那、不安を攫っていく人影が。  ほんの僅か唇を掠めた、硬い指先。最後に機能していた聴覚が、終わりかけの煙草を吸い上げる音と、ゆっくりと紫煙を吐く息遣い、灰皿に押し付ける微かな音を拾
2015年04月10日 09:30
モブレを匂わすお話です。ご注意下さい。            嫌がり、ずり上がって逃げようとする体を押さえ込み、両手をベッドに縫い付ける。暴かれた肌は傷だらけ痣だらけで、白い肌を痛々しい色で蹂躙していた。  涙で滲む青が、自身に影を作る男を直視できずに大きく揺れている。 「……おれが、怖いか」  顔を背けたまま、返事はない。晒された首筋に、見せつけるような赤黒い鬱血痕が散らされ、ゾロの熱を煽った。衝動のまま噛み付くと、体は大きく震えて喉が細く鳴った。ぎゅっと硬く閉じた瞼が痙攣しているのが傍目にも明らかで、押し出された雫が顔を汚す。  それら
2015年04月10日 09:27
2/23妊婦さんの日。           結構混んでた。  二人は特に会話もなく並んで座ってて、最初は他人同士かと思ったんだ。その前にはいかにもその席を狙っていそうなオッサンが立ってて、きっと次期に降りることを知っていたんだと思う。学生が多く乗り降りする駅に着いて、オッサンがソワソワし出した。  だけど二人は動く気配がなくて、でもチラッと扉の方を見て、視線の先を追うと妊婦さんが乗り込んできたんだ。そうしたら金髪の男が笑って手を振って妊婦さんを手招きするから、狭い空間を大きなお腹を庇いながらなんとか進んでいく。  手の届きそうな距離になったら隣
2015年04月09日 16:34
【作成中&構想中】(上の方から手を付けているヤツです) 〈欲望の種〉ルフィの掌から誰にも見えない蔓が生えてくる。ゾサ×ルサの続きみたいな感じで。 〈滲む境界〉オメガバースゾサ。 〈海の子〉触れ合えないローサン   〈無題〉サンジ+ウソップ。何となく始まったのでどうなるか謎。 〈オレンジとシガレット(仮)〉サンナミ髪の毛絡まりネタ。 〈無題〉男娼サンジくんトラウマ付き 〈カンダウリズム〉恋人の痴態を他人に見せる、交わらせる嗜好。のお話。ゾローサン。 〈うたうコック2(仮)〉チビナスとゼフと歌のお話。短い。 〈無題〉サンジに、ローだけに見える翼が生えてくる。最初ゾサで妄想したけどロサ
2015年04月09日 16:21
ローサンカテゴリー、移動完了しました! 旧サイトには掲載していなかった短編もあります。 ま、pixivには上がっていたんですけどね。 ゾロサンカテゴリーは初期の長編以外は移動終えています。 こちらも旧サイト未掲載のもの多数あります。
2015年04月09日 14:55
 ふと気付くと、何もない部屋の中にいた。家具ひとつ見当たらず、殺風景な空間に扉と丸い小さな窓。  ここを知っている、来たことがある。船が完成する直前の、ローの部屋だ。初めてローの過去に触れたあの部屋。   夢を見たのは久し振りだ。半年くらい経っているかも知れない。  だがどうしてここなのだろうか。またローの過去に干渉するのか、それとも何か別の意味があるのか。  ゆっくりと周囲を見渡す。何もない部屋で背後から、こつ、と靴音が響いた。  サンジの心臓が竦み上がる。この夢の中で、音など聞こえたことはない。自分がたてる靴音だってこれまで無音だったし、辛うじてサンジ自身の声が自分の中に響いて聞こえて来る
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