記事のアーカイブ

2015年04月08日 17:49
 シャボンディ諸島での事件以降、麦わらの一味に関する消息は途切れた。だが数日の後に起こったマリンフォードでの頂上決戦。そこで麦わらの船長を助けることになる。悪縁も縁、とは我ながらよく言ったものだが、麦わらに関わっておけばまたユーレイの本体と接触する機会が得られると踏んだのも、わざわざ縁を作ったひとつだ。  それにしても外傷がひどく、この場で命を取り留められるかどうかは賭けでしかなかった。自らの能力を駆使して患部を細かく切り刻み、マグマで灼かれて死んだ細胞を切り離し、生きた細胞を移植し、そのあしからじわじわ壊死していく細胞を見極め、切り離し、移植していく。いたちごっこのような処置を繰り返し、その
2015年04月08日 17:14
 それからもユーレイは数日間、数週間、数ヶ月間と、間を空けてではあるが何度も現れた。その間合いに規則性はなく、不意に現れては消えるということを繰り返す。互いが接触しなければ消えることはないのだが、それ以外にもどうやらユーレイ側の事情らしいが、強制終了させられて突然消えることが時折あった。  声や、靴音や手を叩くなどの動作音は互いに聞こえておらず、言葉でのコミュニケーションは持ったことがない。読唇術でも覚えようかとも考えたが、ユーレイの口許は動いているのが分かる程度で霞んで見えなくなることもある。  なにより声がこちらに聞こえていないのが分かっているはずなのに、コイツは飽きもせずになにやらずっと
2015年04月08日 13:04
 このグランドラインには説明のつかない事象が多々ある。  自身が口にして得た悪魔の実の能力にしても、その実の存在からして説明のしようがないものだ。だから大抵のことはある程度受け入れられる。  霊魂の存在も然りだ。  目の前に現れたなら、自身で確かめることができたなら、それを認めよう。  ハートの海賊団船長トラファルガー・ローは、自身の船室で未知との遭遇を果たしていた。  自らの海賊団を立ち上げ、手術室などの医療設備を備えた潜水艦というこだわりの船の完成を、珍しく高揚した気分を隠すことなく待ち侘び、初めて足を踏み入れた船長室。そこに入るのは船長である自分が最初でなくてはならないはずなの
2015年04月08日 01:55
『黒』と『サイン』を使用した140文字小説を書きましょう。             黒いものを飼っている。 どす黒く、醜悪なケダモノ。 獲物に噛み付き、牙を捩じ込み、離そうとしない、獰猛なケダモノ。 もうそろそろ制御しきれない。 きっと喰らい尽くしてしまう。 骨も残らぬ程に。 そうするのは、アイツのケダモノも牙を剥き出しにした時。 チリンとピアスが鳴ったら、喰らい合うサイン。
2015年04月08日 01:52
お題 『傘の中で』             斜めに置かれた傘は陽射しをよけ、寝転がった二人の顔にささやかな影を作った。 草いきれが鼻をつく。 投げ出された手の位置を探り指先を触れさせる。 「あつ…」 指先のことなのか、上がった体温のことなのか。 指を絡ませて握り傘の影の中に持ち上げてやると、熱に溶けた青い目がこちらを見ていた。
2015年04月08日 01:51
『不機嫌』と『指』を使用した140文字小説を書きましょう。 純なゾロになってしまいましたww             躊躇う指がもどかしい。 どうして触れてこないんだと、言い出せない自分にも腹が立つ。 苛立ちのまま煙草を咥えて視線を落とした。 不機嫌を察知した指先が後ろから頬を、首筋を、背を、恐る恐る辿り始める。 その触れ方がいつもの自信満々なコイツらしくなくて、盗み見た顔が緊張していて思わず笑った。
2015年04月08日 00:46
   初めて一緒に誕生日を迎えてから、毎年サンジの焼いたガトーショコラで過ごすことがなんとなく恒例になった。  サンジの誕生日には後学の為ということで、彼のリクエストで有名店のケーキをゾロがプレゼントした。  閉店後の店内、というのも時間が遅くなってしまうので、自宅に招くこともゼフの黙認となっている。そうなるとキッチンも自由に使えるので、ケーキ以外の料理もささやかではあるが何品か出すようになった。年を重ねるごとに品数もその質も上がっていくことを、ゾロは楽しみながら味わっていた。  相変わらず連絡先の交換などしないし、店外でわざわざ会うようなこともない。年に二回の誕生日に二人でケーキと
2015年04月08日 00:40
 ずっとずっと、会いたい人がいる。  顔も名前もわからないけど、でも、ずっと会いたいんだ。会えたら絶対に分かるはずだ。だって、あんなに大好きだったんだから。  そう、それは多分、前世というヤツだと思う。  物心ついた時には、また会える、会わなくちゃいけないと思う人がいた。きっととても好き合った恋人同士だ。  だって、その人のことを思うとこんなに胸が苦しい。  顔も名前も声も、忘れてしまったけど。自分を抱く逞しい腕と、包み込む体温は、何故かはっきりと覚えていた。  あれ、オレはレディだったのかな。それじゃあ、これから出会う人はレディになっているんだろうか。  でも、予感がする。  オレはまた、
2015年04月08日 00:37
21×10から始まる年の差ゾロサン、現パロです。 だいぶたってから気づいたんですが、どうやらぼんやりと転生モノでもあるようです。   こちらはまだ完結しておりません。 予定はないのでR表記してませんが、予定は未定で流れで変わるかもしれません。 わかりません。
2015年04月08日 00:27
   最近貧血が全く改善されない。本人はそんなことはない、大丈夫だと強がるが、あんなに血色の良かった顔は常に青褪めているし、セックスする体力もとうになくなった。  すっかりサイクルのひとつになっていたが、元々はゾロが言い出して始まったことだ。そこで欲望に任せて吸血してしまうことも、都度ヤツの精を体の奥で飲み込むことも、毎日は必要ないものだった。だからその行為がなくなったところで、絶った当初は多少の飢えを感じはしたが、本当に喉の渇きを抑えられない時に、潤す程度含ませてくれればいいのだ。  それを頑に、体を繋げずとも血だけは吸えばいいと言った。  貧血が進んでいるから無理だと断ると、なら
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