11.反則だらけ

2015年04月09日 13:46
指先が手の甲の骨をなぞって、離れる。
吐息がうなじを微かに濡らす。
唇が掠めるように触れて弧を描く。
全部反則だ。ずるい。
そんなにオレに欲しいって言わせたいかよ。
その悪いカオ。それだってオレが弱いこと、知ってるくせに。
 
 
 
 
 
 
少し触れると、びくりと震える。
いたずらに息を吹きかけると、桃色に染まる。
キスを仕掛けて、やめる。
その顔だ。物欲しそうに潤む青に、肚の中がざわめいて熱くなる。お前の存在そのものが反則だ。
欲しいと強請るその口許が蠱惑的で、おれを煽り続ける。
冷めない熱の責任、取ってもらうからな。