5.【R-18】車で。(約2500字)

2015年04月09日 09:13
車えちな話が書いてみたかっただけです。
パッと終わらせたかったからその場面だけにしちゃいました。
だけど最後まではしていないけど咥えてるのでR指定で。
一応の背景は、二人は年の差幼馴染みで、なんかローが車でサンジ迎えに行って、夜景スポットでこんなことになった、的な。
誤解のないように言うと、ちゃんとローはサンジのこと好きです。
してることはきっと性癖です。
 
 
 
 
 

 

 ドライブに行こうと言い出したのはどっちだったっけ?
 夜景を見に行こうと言い出したのは?



 くぐもった声はボリュームを絞ったカーラジオのDJにかき消されるほど小さく、必死に堪えているのが伺えた。
 ローは一度口に咥えていたモノを離し、下から上気したサンジの顔を仰ぎ見る。

「外の車、見てみろよ」

 言われて助手席の窓から目線だけを外に向けると、間隔をあけて駐車している数台の車が目に入った。
 ぼーっとした瞳で見ていると、それらは微妙に揺れている。暗闇の中に工場夜景の灯で照らされた車全てが、だ。

「……なに?……」

 この状況がいまいち飲み込めなくて、曇り始めた窓ガラスに手を付けようとした時、再び甘い刺激が下腹部を襲った。
 サンジは今度こそ押さえきれず、喉の奥で高い声が鳴った。

「や、ロー……やめ……」

 艶のある黒髪に手を入れ、頭を引き剥がそうとするが力が入らない。
 ローの口の中が熱くて、自身に絡んでくる舌がやっぱり熱くて、もう頭の中も上手く回らない。

 なんでこんなことになっているんだろう。

 高まってくる疼きに思考が奪われ、今ここで、この状況で達してしまうことに急に恐怖を覚える。

「ロー、だめ……もう、もっ……ひ、ぃあ!」

 強く吸われる感覚に、悲鳴に近い声が車内に溢れた。サンジはヘッドレストに後頭部を強く押し付けるように背を仰け反らせ、何度か痙攣したように体を震わせると一気に脱力してシートに深く身を沈めた。
 ローはその間一度もサンジのモノから口を離さず、口内に吐き出された白濁をそのままごくりと嚥下し、余韻でたらたらと溢れ出てくる雫も余さずきれいに舐め取った。
 体を起こして手を伸ばし、助手席ドア側のレバーを引いて背もたれを押し付けてやると、ぐったりとしたサンジの体ごと限界まで倒れ込む。ついでに身を捩って運転席側のシートも同じような状態にしてやれば、真っ平らではないがそこそこの広さが確保できた。
 邪魔するもののないベンチシートにサンジの足を抱え上げて運転席側まで引っ張り上げてやると、体はズルズルと引き摺られて頭は助手席の座面に落ち着く。
 吐精した余韻でまだ体に力が入らないまま、上手く整えられず浅く息を繰り返すその唇が、摂取していたアルコールの影響なのか赤味を帯びてふるふるとしている。ローは抱えていた足を割り開いてその間に膝を入れ、伸し掛かるようにサンジへ体を倒して唇を貪った。

「ん……ふぁっ……」

 差し込まれる舌から口の中に広がる苦みが、先程自身が放った精の名残であるとは思いも因らず、ただ蕩けた頭では何も考えられずに口内をされるがままに嬲られ続ける。舌をじゅ、と強く吸い上げられ、その根元を追うように更に深く舌が差し込まれ、あまりにも奥へ侵入しようとするために歯が当たってガチ、と衝撃が走る。それでも構わずに押し進められる行為に、閉じた瞼の裏がチカチカしてきた。
 上顎の深くて柔らかいところを舌先に力を込めて押しなぞられ、サンジの体はピクピクと震える。力が入らなかったはずの両手はいつの間にかローの袖をぎゅっと握りしめていた。
 ローはサンジの舌の可能な限りの根元に歯を立てる。

「んぁ……あぃ……」

 なに、と言いたかったようだが言葉にならない。
 そのままずるずると、ゆっくりゆっくりと、歯で舌を引っ張っていく。

「……あ……あぁ……」

 ローの歯がサンジの舌の表面を刮げとるように移動し、口から引きずり出し舌先に到達すると動きが止まった。
 歯で挟まれたまま、ピンと伸ばされて張る舌。舌先をローの歯の檻に囚われたまま何もできない。動けない。
 口はだらしなく開いたまま、うまく嚥下できない唾液がたまって口の端から零れ始める。
 舌の根元と舌先から痺れがじんわりと広がりだし、いい加減辛くて涙がポロポロ止まらない。

 なんでこんなことになってるんだよ。
 酔って気分が良かったし、久し振りにローに会えたから遠回りして帰りたいな、って言っただけなのに。

 ずっと噛まれ続けていて感覚がなくなってきた舌先を、ローの舌がべろりと舐め上げたのがわかった。そうするとなにかが舌を伝って流れて来る。
 つつつ、と上からゆっくりと、乾きかけていたサンジの舌を這って降りて来る、ローの唾液。
 何かとんでもないモノに侵されているようで、ガタガタと体が震え出した。

「うーー、んぅーー‼」

 怖くて怖くて、もう、逃げたくて、舌はもう食い千切られてもいいから、取り敢えずこの状況がイヤで、サンジは頭を左右に振った。
 だがそれを見計らったようなタイミングでローはサンジの舌先を離す。解放された舌が口腔に戻った勢いで、無意識に閉じて唾液の流入を抑えていた咽頭が大きく開き、溜まっていたモノが一気に流れ込んでくる。ローのモノも一緒に、ぐちゃぐちゃのまぜこぜになって。
 反射で大半は飲み込んでしまったが、残りに気道を塞がれサンジは大きく咽せた。ゴホゴホと限界まで咳き込むが、その後上手く息が吸い込めなくて喉がひゅっと鳴る。十分に吸気できていないのに、また咳が出て行く。
 苦しくて頭が痛くなってきて、このまま息が吸い込めなくて死んでしまうんじゃないかと思い始めた時、背中に手を差し入れられグイと上半身を引き起こされた。サンジはローの肩に額を当てるように凭れ掛かり、咳と吸気を繰り返す。その間背中に添えられていた手は少し強めの力でバンバンと叩いたり、優しく摩ったりしていた。
 呼吸が次第に落ち着きを取り戻してくると、浅い呼吸を整えようとするサンジの息遣いが聞こえてくる。

「……なあ……」

 何度も咳をしたためか、絞り出した声は掠れていた。

「なに、怒ってんの?」

 額を肩に預けたまま、顔を見ずに問いかける。

「なんで、こんなことしてんの?」

 ローはサンジの金の髪を鷲掴みにして力任せに引き下げた。サンジの額は肩から離れ、白い喉が反って顔が上向く。
 乱れた前髪に隠れているが、口許も隙間からのぞく右の目許も、涙と涎でぐちゃぐちゃだ。
 その顔を見て、ローは目を細める。
 ふ、と口許が緩んで、とても優しく微笑んだ。

「泣かせたかったから」



end