25.【微R】お題@海賊設定ゾロサンで『好きにならないはずがない』

2015年04月07日 15:05
 飯が美味くて跳ねっ返りで、素直じゃないくせに甘えたで。バカみたいに人のことばっかりで、目を離すとすぐにとんでもない無茶をしやがる。
 そのくせおれの傷には泣きそうな顔をする。
 ただの抜き合いの延長からセックスにまで行った時も、何も言わずに体を開いてきた。その時も泣きそうな顔で初めての苦痛に唇を噛み締めて、自分は全然イケなかったくせに、おれがイったことにホッとしたりして。
 そんなの見たらてめぇ、好きにならないはずがない。
 おれの勘違いでもいいさ。誰にでも向ける顔のうちの一つでも、これは今はおれのものだ。
 おれの下で快感に震えながら、突っ込んだままイケるようになった頃、また、泣きそうな顔をした。「苦しい」と奴は言った。それがなんなのか、わからないと言う。
 あぁ、なんて阿呆なんだ。
 おれと同じものを抱えて、その正体に気付いていなかったのだ。
 おれがこんなにも好きなんだ。
 お前がおれを好きにならないはずがない。
 
 
 
end