2.【R-18】マグネット

2015年04月09日 09:52
10/1磁石の日
ゾロサンバージョンをみて下さったふぉろわ様が
「磁石って聞いて、くっついて離れられなくなったのかと」と呟かれたので、こっちでもやってみました。
が、なんかしっとりゾサの後に妄想し辛く旦那チェンジしてもらいました!
わちゃわちゃしてちょいおバカ。
 
 
 
 
 
 我慢の効かない野生の獣みたいにしてがっついてくる。明るかろうとなんだろうと、隙を見せたら喰われちまうんだ。
 でもどうしてかオレはアイツに弱い。何故だか隙ができてしまう。
 こうして今もまた食料庫へ引きずり込まれ、好きなように噛み付かれた。
 ゴムは自由自在。たいして慣らさなくてもするりと入ってくるし、入ってから好きなように大きさを調節してくる。最早人間業じゃない。
 それでも気持ちいいことはオレも好きだから、流され易い自分自身を怨みながらも、甘ったれな腹ぺこオオカミに喰われるのをやめられない。
 声を殺して息を潜めて、貪られる快感を全身で味わう。汗が浮かんだゴムの肌が、ひたりと吸い付いてきて心地良い。後ろからぎゅっと抱き締められたら、なんだかくっついて離れなくなった。だけど腰回りは面白いように着いたり離れたりを繰り返して、まるで磁石の反発みたいだ。磁石同士をくるくるひっくり返して、くっついたり離したり。
 そんなことをして遊んだな、と不意に思い出して可笑しくなったら、集中しろと後ろから大きく突かれた。その刺激に必死に声を堪えるのと、すぐ傍の扉の向こうでオレを呼ぶ声が重なった。
 思わず力が入る。
 その締め付けに後ろから貫いてきた体も硬直した。

 痛い痛い痛い! どうしてそこで更にでかくなる!
 オレの後ろでも痛い痛い言ってる。締めすぎんなと文句が零れてる。

 勿論どちらも極力小声だ。だが何となくざわついた空気が扉の向こうに伝わってしまったらしく、あーうー、程々にぃー…という敏く優しい長鼻の声が、遠くで更に俺を捜しているらしい連中に「こっちにはいない」と告げていた。
 そして

「さっさと抜けよ」
「抜けねぇんだモン」
「ゴムだろが! なんで硬いままなんだよ!」
「知らねぇよ! お前が締めるからだろ!」
「ビックリして力抜けねぇんだよ」
「俺だってビックリしてでかくなったんだよ」

 と何とも情けない応酬が続く。
 磁石みたいだなぁ、なんて暢気に間抜けなこと考えていたせいか、超強力な磁石みたいにくっついて離れなくなっちまった。って考えたことにも、ばっかだなぁオレ、と情けなくなる。
 結局、夜腰を据えてヤる時以外は許していなかった中での解放をさせて、やっと離れることができた。
 盛る獣に腹も立つが、オレももう少し意志を強く持たなくちゃなぁ、と反省して煙草をふかした。
 
 
 
end